2. 海外における臨床成績
(1)シャム注射を対照とした第III相比較試験(MARINA試験:FVF2598g試験)2~5)
[試験方法]
- 試験対象
- 中心窩下CNV(病変サブタイプminimally classic型またはclassic CNVを伴わないoccult型)を伴う加齢黄斑変性患者 478例(ルセンティス0.5mg群:240例、シャム注射*群:238例)
- 試験デザイン
- 多施設共同ランダム化二重遮蔽比較試験
- 投与方法
- ルセンティス0.5mg硝子体内注射またはシャム注射を月1回、23ヵ月間(計24回)実施した。

- 効果判定
- 投与12ヵ月後(主要評価)および投与24ヵ月後(副次評価)にETDRS視力検査表を用いて最高矯正視力スコアを測定開始距離2mで測定し、ベースラインからの減少が15文字未満の患者の割合をルセンティス0.5mg群とシャム注射群で比較して効果を検討した。
- *シャム注射:硝子体内投与の代わりに針のないシリンジを局所麻酔下で眼球に押し付け、注射以外は同じ処置を行うこと。
- 日本において承認されたルセンティスの用法及び用量
- ラニビズマブ(遺伝子組換え)として0.5mg(0.05mL)を1ヵ月毎に連続3ヵ月間(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上の間隔をあけること。
- <用法及び用量に関連する使用上の注意>
-
- 維持期においては、1ヵ月に1回視力等を測定し、その結果及び患者の状態を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。また、定期的に有効性を評価し、有効性が認められない場合には漫然と投与しないこと。
- 臨床試験においては、両眼治療は行われていない。両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。なお、初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと。
[患者背景および主なベースライン特性]
1. 最高矯正視力スコアの推移
ルセンティス0.5mg群で投与12ヵ月後および投与24ヵ月後の最高矯正視力スコアは、それぞれベースラインから7.2±14.4文字(5.4~9.1文字)*および6.6±16.5文字(4.5~8.7文字)増加し、シャム注射群に比べていずれの時点でも有意に改善しました。
- *最高矯正視力スコアの変化量:平均値±標準偏差(95%信頼区間)
2. 視力維持・改善効果
1)視力維持*効果
ルセンティス0.5mg群で投与12ヵ月後および投与24ヵ月後に視力が維持された患者の割合は、94.6%(227/240例)および90.0%(216/240例)でした。シャム注射群の62.2%(148/238例)および52.9%(126/238例)に比べて、いずれの時点でも有意に高率でした。
- *最高矯正視力スコアの減少がベースラインから15文字未満の場合を「視力維持」と定義した。
- **last observation carried forward(LOCF)法で補完
2)視力改善*効果
ルセンティス0.5mg群で投与12ヵ月後および投与24ヵ月後に視力が改善した患者の割合は、33.8%(81/240例)および33.3%(80/240例)でした。シャム注射群の4.6%(11/238例)および3.8%(9/238例)に比べて、いずれの時点でも有意に高率でした。
- *最高矯正視力スコアがベースラインから15文字以上増加した場合を「視力改善」と定義した。
3)Snellen20/200相当以下に該当する患者の割合
ルセンティス0.5mg群で、投与12ヵ月後および投与24ヵ月後に最高矯正視力スコアがSnellen20/200相当以下(小数視力換算0.1以下に相当)に該当する患者の割合は、11.7%(28/240例)および15.0%(36/240例)でした。シャム注射群の42.9%(102/238例)および47.9%(114/238例)に比べて、いずれの時点でも有意に低率でした。
3. 視機能関連QOLに及ぼす影響
視機能が生活の質に及ぼす影響を視機能関連QOL調査票VFQ-25で評価したところ、ルセンティス0.5mg群はいずれのスコアもシャム注射群に比べて有意に増加し、視機能に関連するQOLの向上が認められました。
4. 病変の形態学的変化
1)CNV総面積の推移
ルセンティス0.5mg群では、シャム注射群に比べてCNV総面積(フルオレセイン蛍光眼底造影で測定)の増加が有意に抑制されました。
- *DA(disc area):Macular Photocoagulation Studyグループによって定められた病変サイズの単位
- **last observation carried forward(LOCF)法で補完
2)CNVからの総漏出面積と網膜色素上皮染色の合計の推移
ルセンティス0.5mg群では、シャム注射群に比べてCNVからの総漏出面積と網膜色素上皮染色の合計(フルオレセイン蛍光眼底造影で測定)の増加が有意に抑制されました。
3)中心窩網膜厚の推移
投与12ヵ月後の中心窩網膜厚は、シャム注射群ではベースラインから平均15.1μmの減少であったのに対し、ルセンティス0.5mg群では平均100.2μm減少しました。
5. 副作用
ルセンティス(0.3mgまたは0.5mg)が投与された477例中106例(22.2%)の治療対象眼に副作用が認められました。主な副作用は、硝子体炎26例(5.5%)、硝子体浮遊物25例(5.2%)、眼圧上昇25例(5.2%)、虹彩炎23例(4.8%)でした。
- 主要文献
- 2)社内資料(外国第III相比較試験, FVF2598g12ヵ月) [LUCU00003]
3)社内資料(外国第III相比較試験, FVF2598g24ヵ月) [LUCU00004]
4)Rosenfeld P. J., et al:. N. Engl. J. Med., 355(14), 1419(2006) [LUCM00025]
5)Chang T. S., et al:. Arch. Ophthalmol., 125(11), 1460(2007) [LUCM00089]